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紫微斗数で見る結婚の時期——いつ結婚できるかを大限・流年・紅鸞天喜の三層で読む

約9分

「私はいつ結婚できるのでしょうか」。命理に携わる者が、生涯でいちばん多く受ける問いは、おそらくこの一言です。尋ねる方の事情はさまざまです。いまはお一人の方、続いている関係のなかで迷っておられる方、ご家族に急かされて気の重い方。言い方は違っても、知りたいことは同じひとつ——その時機は、ほんとうにこちらへ向かってきているのか、ということでしょう。

紫微斗数(しびとすう)には、この問いに対するかなり筋の通った見方があります。ただし、先に正直に申し上げておきます。盤から読み取れるのは「時機」——どの年にご縁の条件が熟しやすく、慶びごとの気配が濃くなるか——であって、「日付」ではありません。どの年に戸が開いているかを知ることと、その年にかならずその戸をくぐると請け合うこととは、別の話です。この記事では、その見方を一層ずつ順にお話しします。読み終えたら、ご自分の命盤を前に、いちど探してみてください。

夫妻宮が語るのは「どのように」であって、「いつ」ではない

結婚を見るなら夫妻宮(ふさいきゅう)、とお考えの方は多いと思います。夫妻宮はもちろん見ます。けれども、この宮が答えているのは別の問いです。どのような人に惹かれるのか、ふたりはどんな構えで向きあうのか、この関係の課題はどこにあるのか。夫妻宮に天同が坐す方は、ご縁がゆっくりと穏やかに訪れることが多く、七殺や破軍が坐す方は、感情の起伏が大きく、決めるのも速い。これらは「姿」です。

けれども、姿は年を教えてはくれません。同じく夫妻宮に太陰が坐すお二人が、ひとりは二十六歳で、もうひとりは三十八歳で結婚なさる——少しも珍しいことではありません。本命盤は動かない下絵だからです。「いつ」は時間の問いであり、時間がこの下絵の上をどう歩いてゆくか、つまり大限(たいげん)と流年(りゅうねん)を見なければなりません。

時機は三層で見る——大限、流年、紅鸞天喜

結婚の時機は、伝統的に三つの層を合わせて見ます。第一の層は大限。十年ごとに替わり、「この十年に、結婚ということが表の話題にのぼるかどうか」を定めます。第二の層は流年。一年ごとに替わり、「その十年のうち、どの年にいちばん動きがあるか」を定めます。第三の層は、慶びごとを司る一対の星、紅鸞(こうらん)と天喜(てんき)です。この二星は、上の二層にかかる気配のようなものとお考えください。

三つの層は、それぞれがひとつの合図にすぎません。どれかひとつだけを見ても、拠りどころにはなりません。大切なのは、それらが重なるときです。以下、一層ずつお話しします。

第一の層:大限——この十年に、その順番が巡ってくるか

大限は、十年を一区切りとする大きな運です。大限にはそれぞれの命宮があり、十年ごとに替わりながら、十二宮を一枠ずつ進んでゆきます。ご縁を見るには、まず二つのことを確かめます。

一つめは、大限の命宮が本命の夫妻宮に至っているかどうか。至っていれば、この十年、あなたの重心はおのずと感情と伴侶のほうへ傾き、結婚の話が持ち上がらずにいるほうが難しくなります。二つめは、大限の夫妻宮(大限の命宮から数えた夫妻の位)の星曜が落ち着いているか、化禄に逢っているかどうか。化禄が大限の夫妻宮に入るのは、この十年、感情がなめらかに運び、実を結びやすいという合図です。化忌に逢う場合は、この十年、感情のうえにもつれや波が多くなります。婚事がないとは限りませんが、道のりは軽くはないでしょう。

大限が定めるのは「大きな方角」です。この十年の大限が夫妻宮とまるで関わりを持たないなら、ある年の流年がにぎやかに見えても、多くはひとつの恋にとどまり、身を固めるところまでは至りません。

第二の層:流年——十年のうち、どの年に動きがあるか

流年の命宮は、たやすく見つかります。その年の地支がある位が、そのまま流年の命宮です。2027年は未の年ですから、流年の命宮は、命盤で「未」と記された一枠。2028年は申の年ですから「申」の一枠。以下、同じ要領です。

ご縁を見るうえで、流年では三つの場合に目を留めます。第一に、流年の命宮が本命の夫妻宮に至る年——この一年、お気持ちは感情のことへ向かいます。第二に、流年の夫妻宮(流年の命宮から数えます)が、星曜がよく、吉の化にも逢っている宮に落ちる年。第三に、その年の天干が引き動かす四化のうち、化禄が夫妻宮へ入る、あるいは夫妻宮の主星がちょうど化禄・化権する年——この一年、感情のことは背を押されるように前へ進みます。

反対に、その年の化忌が夫妻宮を真正面から沖する場合は、お相手がいても、その年に行き詰まったり、言い争いになったり、決めきれないまま長引いたりしやすくなります。古くからの言い方では、こういう年は「守るによく、定めるによからず」です。

第三の層:紅鸞と天喜——慶びごとの気配

紅鸞は婚姻と慶事を、天喜は子宝と祝いごとを司ります。この二つの星はつねに対宮にあって、盤をはさんで向かいあっています。十四主星ではなく雑曜ですが、婚期を論じるときには、まず欠かさず見る星です。俗に「紅鸞星が動く」と言うのは、この星のことを指しています。

本命の紅鸞と天喜は、生まれ年の地支で決まります(生まれ年は旧暦で数えます。一月・二月生まれの方で、誕生日がその年の旧正月より前なら、前の年の生まれになります。いちばん確かなのは、ご自分の命盤に記された生年の干支をご覧になることです)。子年生まれは紅鸞が卯、天喜が酉。丑年生まれは紅鸞が寅、天喜が申。寅年生まれは紅鸞が丑、天喜が未。卯年生まれは紅鸞が子、天喜が午。辰年生まれは紅鸞が亥、天喜が巳。巳年生まれは紅鸞が戌、天喜が辰。午年生まれは紅鸞が酉、天喜が卯。未年生まれは紅鸞が申、天喜が寅。申年生まれは紅鸞が未、天喜が丑。酉年生まれは紅鸞が午、天喜が子。戌年生まれは紅鸞が巳、天喜が亥。亥年生まれは紅鸞が辰、天喜が戌です。

本命の紅鸞か天喜が命宮または夫妻宮に坐していれば、その方の生涯のご縁は、おおむね早く訪れ、乏しくもありません。ただ、「どの年か」を論じるなら、さらに見るべきは流年の紅鸞と天喜です。この二星は年ごとに位を替えます。巡り方は上と同じで、用いるのがその年の地支に替わるだけです。

この先数年の位置は、次のとおりです。2026年・丙午の年は、流年紅鸞が酉、天喜が卯。2027年・丁未の年は、紅鸞が申、天喜が寅。2028年・戊申の年は、紅鸞が未、天喜が丑。2029年・己酉の年は、紅鸞が午、天喜が子。2030年・庚戌の年は、紅鸞が巳、天喜が亥。2031年・辛亥の年は、紅鸞が辰、天喜が戌です。

使い方はこうです。これらの位置のうち、ちょうどご自分の命宮か夫妻宮に落ちる年があるかどうかをご覧ください。たとえば、夫妻宮が申の位にある方は、2027年の流年紅鸞が夫妻宮に入ります。命宮が子の位にある方は、2029年の流年天喜が命宮に入ります。こうした年は、慶びごとの気配がひときわ濃くなります。

三層が重なって、はじめて数に入る

ここまでお読みになって、もうお気づきかもしれません。紅鸞と天喜だけを見るなら、十二年のうちおよそ四年は、流年の紅鸞か天喜がご自分の命宮か夫妻宮に入ります。その年ごとに結婚なさるわけがありません。ですから、ほんとうの見方は「重なり」を探すことです。大限がすでに結婚ということを表の話題にのせている。その十年のうちのある年に、流年の命宮か流年の夫妻宮が要の位に至る。同じ年に、紅鸞か天喜も命宮か夫妻宮へ入る。そのうえ、その年の四化が忌ではなく禄である。三つ、四つの合図がそろって同じ一年を指したとき、はじめてその年を「時機が熟した」と呼ぶことができます。

これだけの層を重ねて見るのですから、ご自分でひと目で見抜くのは容易ではありません。ふつうは、この先の数年を一年ずつ並べ、年ごとに確かめて、合図がいちばん集まる年を一つ二つ選び出します。答えがはっきり出ることもあります。この十年には合図がまばらにしか見あたらないこともあります。その場合の正直な言い方は、こうです——この大限の重心はここにはない、次の大限であらためて見ましょう。

命盤が示すのは時機であって、日付ではない

最後に、話をもとへ戻しておきます。紫微斗数が指す「力のある年」とは、その年は条件がそろいやすく、妨げが小さく、心も定まりやすい、という意味です。追い風の日のようなものです。けれども、船を出すかどうかを決めるのは、やはり人です。いちばん順調な年に、まず仕事を優先なさる方もいれば、向かい風の年にあえて結婚なさり、そのまま良い暮らしを築いておられる方もいます。

ですから、よい使い方は、年を握りしめて座って待つことではなく、手帳に書きこむ覚え書きとしてお使いになることです。戸が大きく開く年がわかっていれば、その年にはご自分に機会を多めに与え、人に会う場を増やし、話しておくべきことを先延ばしになさらない。行き詰まりやすい年がわかっていれば、その時期にご自分やお相手へ決断を迫らない。命盤は参考であり、日々を生きるのはご自身です。

ご自分で盤を見るときの、二つの敷居

この記事に沿ってご自分で見てみようとなさると、実際のところ二つの壁に行きあたります。一つめ。紅鸞と天喜は雑曜ですから、十四主星だけを載せた簡易な盤には現れません。すべての星を載せた盤が要ります。二つめ。大限の四化と流年の四化は、一年ずつ推してゆかねばならず、手で組むと誤りが出やすいこと。十干の四化は流派によって口訣にいくらか違いがあり、星をひとつ取り違えれば、結論はまるで別のものになります。

「いつ」という問いが、たいてい年ごとの推演を経てようやくきちんと答えられるのは、このためです。当サイトの有料のひと問いでは、大限の順序と、この先六年の流年、そして各年の四化を、まずプログラムで算出しておき、そのうえで読み解きを行います。もっとも誤りの出やすい四化を、読み解く側の手に委ねないためです。

ご自分の夫妻宮がどの位にあるのか、いまの十年の大限がどこまで歩んでいるのかは、ご自分の命盤を組んでみれば見えてまいります。紅鸞と天喜は雑曜ですので簡易な盤には載らず、すべての星を載せた盤で初めて見ることができます。まずは命盤を一枚お立てになり、無料でひとつお尋ねください。ただ、先にはっきり申し上げておきます。無料のひと問いは、本命盤と、いま巡っている運限をもとにお答えするものです。この先の数年を一年ずつ並べて時機を見てゆくのは、有料のひと問いで行っていることです。